1日が27時間になる本
とにかく時間がすぐなくなってしまうと感じる今日この頃。
税理士試験を受けていた時期は、
試験勉強と仕事の二足のわらじをやっていたので、
そのあたりのテクニックはあると思っていたのですが、
それはあくまで試験勉強の時間を確保するための技であって、
現在は試験勉強がなくなった代わりに仕事の時間が増えたり、
研修やセミナー、各種会合に出かける予定が一気に増えたため
時間が足りないと思うことがしばしば。
これは試験勉強をしていたときとは
別の時間確保の技を身につけねばならない
と思ったところに、このような本を手にしました。

あなたの1日は27時間になる。~「自分だけの3時間」を作る人生・仕事の超整理法(木村聡子 著)です。
この本の作者は税理士である。
つまり同業者である。
同じ税理士が書いた時間管理法であるならば、
参考できる点があるのではないかと手に取ってみた。
タイトルの「27時間になる」というのは、
生活習慣の見直しや仕事の効率化などをうまく駆使して、
3時間ほどの自由時間を確保することによって
あたかも1日が27時間のようになるのではないでしょうか的な
ことだろう。
1.まずは前業
前業というのは、残業の反対の意で、夜遅くまで仕事をするのであれば、
逆に朝早く起きて早い時間に会社に出てきて仕事するということである。
たしかに、朝早くに仕事した方が夜に仕事しているよりは効率はいいだろう。
たとえば17時以降に仕事の電話がかかっていることはあっても、
朝早くたとえば6時ぐらいにかかってくることはまずない。
それだけでも集中して仕事ができるというものだ。
その効率の良さを活用して一気に仕事を終わらせてしまうというのだ。
朝早く起きるメリットは、さまざまな雑誌や書籍などで書かれるだけあって、
計り知れないことは誰もが知っている。
ただ、なかなかできないのである。
睡眠欲というものは、人間の三大欲求のうち最上のものであり、
それにあらがうことは非常に困難であるため、
多くの人が挫折してしまいがちなのである。
この本でも、早く起きるためのさまざまなテクニックなどが書かれている。
2.早起きを習慣づけるための方法
1.起きる時間をまずは10分早くする
2.「私は○時に起きます」「毎朝○時に出社します」と宣言をする
3.就寝時間が遅くなっても、翌朝早起きする
最初から1時間早く起きるという高すぎる目標を立てるのではなく、
まずは簡単にできる範囲からやるということで、
10分早く起きるという意味だろう。
ただ、10分ぐらい早くても意味ないなと思って二度寝してしまいそうだが。
2.は、宣言して後に引けなくする、これはこれで効果のある人にはあるが、
結構まじめというか責任感が強い人みたいな人のためのものかな。
3.は、毎日決められた時間に起きる習慣をつけるという意味ではいいかもしれない。
そのかわり休日も同じ時間に起き続けないとなかなか習慣として定着しないかも知れない。
本とは別に
私が実際にやっていた早起きのためのテクニックは
1.早く寝ること
2.明確な目標をもつこと
でした。
もう本当に身もフタもないことなんだけど、
自分にとってはこれが効果的でした。
早く寝れば自然と早く起きる。
ただ、それでも欲望に負けて寝てしまうことがあるので、
起きてからやること明確な目標が必要となってくる。
夜の11時ぐらいに寝て、
だいたい朝の5時~6時頃に起きる。
で、目が覚めたとき「(税理士)資格をとるぞ」という
目標で布団から抜け出すのである。
要は、どこかに旅行に出かけるのと同じです。
朝早く出発しなければならないとなれば、
前の晩は早く寝て、旅行という目標があるので
すぐ起きることができる的な。
そんな感じです。
3.1日1捨でものを減らそう
本書によれば、平均的な仕事人は探しものをするためだけに、
1年間で約150時間を費やしているとのこと。
いや、いくらなんでもそんなには費やしていないだろう。
しかし、仕事をしていないときも合わせるとそれぐらいになるかもしれない。
つまり、探すことをやめれば、時間を確保することができるということだ。
そこで、1日1捨である。
何か新しい物を入れるのであれば、何か1個捨てるか、使い切ってからにする、
あるいは新しい物が「欲しい」と思ったら、今ある物で代用できないか考えることを心がけるようにするのです。
いくら整理整頓したとしても、物が多かったら必然と探す時間がかかってしまう。
ということで、物を減らさなければならないということ。
断捨離とか(ものを)持たない生活などの「捨てる」系の本が
本屋に行っても多く並んでいることから
物を持ちすぎてしまう人が多いのだと思われる。
そこで、ものを減らすために
1日1回なにかを捨てていこうということらしいです。
4.マニュアル・チェックリストをつくる
仕事のスピードを上げるには、「マニュアル」を作ることから!
と書かれていた。
マニュアルを作った方がいいと思っている社長は多いが、
実際のところ、なかなか手が出せないのが実情である。
マニュアル作りというのは、「重要であり、緊急でないもの」であるからだ。
ついつい「重要であり、緊急であるもの」から処理しがちなのである。
それではいつまでたっても効率の良い仕事ができない。
マニュアルといっても大企業並みの分厚いものを作る必要はない。
ペラ1枚でも、付箋1枚でも立派なマニュアルである。
マニュアルで仕事すると、杓子定規のような仕事しかできない
機械的な社員を想像するかもしれないがそんなことはないと思う。
実際のところ私の事務所では
経営計画書という経営理念や経営方針、仕事のやり方などを示した
いわば事務所のマニュアルのようなものを作成し、活用しているが、
そんな機械的な社員ばかりにはなっていない。
むしろ経営計画書があるおかげで、
どの社員でもある程度の水準までの仕事をこなし、
知識を持つことができるので、社員教育には欠かせないものとなっている、
また社員側もマニュアルはあると仕事がやりやすいのである。
5.感想
本書は、仕事を効率化するための方法がこれでもかと書かれている。
個人的にはショートカットキー
「Alt」+「←」ウェブページの戻る
「Alt」+「→」ウェブページの進む
を使っている。
1回覚えるとなかなか便利である。
今すぐすべてを実行するのは難しいし、
人によっては合わないものもあるかも知れないが、
何か1つだけでも実践できれば、
仕事のスピードアップが図れると思う。
仕事中心の内容が多いが、「1日1捨」なんかはプライベートでも活用できるだろう。
個人的にはプライベートにこそ利用しなければならないな。
本とか雑誌が山のようにあるので。