ひとこと多い辞書

新明解国語辞典 第七版 三省堂

「気にしない練習」(名取芳彦著)という本のなかで、

ユニークな解説では類を見ない辞書として

「新明解国語辞典」が紹介されていたので読んでみた。

辞書を読んでみたというのも妙だが、

引いたわけではないので。

どのあたりがユニークかというと

たとえば、

【公僕】

〔権力を行使するのではなく〕国民に奉仕する者としての公務員の称。〔ただし実情は、理想とはほど遠い〕

新明解国語辞典 第七版 三省堂

こんなことを書いてしまってよいのだろうか。

でもおもしろい。

他にはこのようなことも、

【悪妻】

第三者から「わるい つま」と目される女性。〔当の夫は案外気にしないことが多い〕


新明解国語辞典 第七版 三省堂

深いなぁ。

結局傍から夫婦を見たところで

本当のところはどうなのかは

当事者同士しかわからないといったところだろうか。

【動物園】

捕らえて来た動物を、人工的環境と規則的な給餌とにより野生から遊離し、

動く標本として一般に見せる、啓蒙を兼ねた娯楽施設。


新明解国語辞典 第七版 三省堂

動く標本と表現されたところがなんというか尖っている感じがする。

【水族館】【植物園】は普通に書かれているのに

なぜに【動物園】にはちょっときつめな表現なのだろうか。

【馬鹿貝】

大きさはハマグリくらいの二枚貝。

波の静かな、晴れた日に、貝の口から舌のような赤い足を出す。

むきみを「あおやぎ」と言い、貝柱がおいしい。

新明解国語辞典 第七版 三省堂

へー馬鹿貝っておいしいのか。

この手のグルメ関係は結構あったりする。

【蛤】

〔浜栗の意〕遠浅の海にすむ二枚貝の一種。

食べる貝として、最も普通で、おいしい。殻はなめらか。

新明解国語辞典 第七版 三省堂

何を基準にしておいしいと書いてしまっているのだろうか。

他にも【牡蠣】肉は美味。

【帆立貝】太い貝柱が美味。

【鱈場蟹】肉は美味。

【平目】美味。

さらに【食用蛙】肉は美味とまである。

にもかかわらず、【鮪】や【蟹】【蝦・{海老}】などには、

おいしいや美味などという記述はない。

好みがうるさいのだろうか。

これはまさに読む辞典

今回紹介しているのは「新明解国語辞典」の第七版で、

これよりも古い版のものは表現がもっと尖っているらしい。

ちなみに、この辞書で

【税理士】はどのように書かれているかちょっと期待したのだが、

ごくごく普通に書かれていた。残念。

一度見てもらえばわかるのだが、

基本的にはこの辞書はちゃんとした国語辞典であり(当たり前だ)、

ごくごくたまにユニークな表現がなされているだけである。

それを探して見つけるのがおもしろかったりする。

【ギャル】の記述なんかユニークを超えて

偏見がちょっと入っていたような。

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